スタッフコラム

『農業はおもしろくなる、農業をおもしろくする』株式会社生産者連合デコポン 井尻弘さん

株式会社生産者連合デコポン(以降、デコポン)は、元々、愛媛県で農業改良普及員として農家の方を技術指導していたデコポン現取締役の井尻弘さんが、今のままでは農家のためになっていないと考え、同じ考えの農家の方が多かった千葉県に、平成6年4月25日に設立された会社です。デコポンでは主に、農家の方が作った野菜などを、『お野菜箱』として郵送販売したり、加工品の販売などをしています。『お野菜箱』には、デコポンで取り扱っている年間100種類以上の野菜の中から、その時々の旬の物が入っています。また、加工品は、45~90℃の蒸気による蒸気熱処理(ソフトスチーム加工)により、野菜の細胞を破壊せず、栄養・味・風味を損なわずに加工しています。今回はデコポン代表取締役、井尻弘さんにお話を伺いました。

農業の問題点

井尻さんは、現在の農業には3つの問題点があると仰っていました。
1つ目が、農家に価格決定権が無い事。2つ目が、世襲制(嫡男が家を継ぐ事)の問題。3つ目が、野菜・果物など、見た目重視だという事です。最近になって、2つ目と3つ目は、ほんの少しずつ改善されてきているらしいのですが、まだまだ農家に取っては厳しい現状です。
井尻さんは、この3つの問題を解消して、もっと農業を楽しく、面白くしたいと考えています。そこで、デコポンで企画している事、実際に行っている事があります。

おもしろい農業のために

デコポン村プロジェクト

・デコポン村プロジェクト
デコポン村プロジェクトとは、楽しい農業の実践。本来、農という営みが持っている無限の楽しみを多くの人に体験してほしい、そんな思いから、手作りで一から村を起こすというものです。私たちが取材をさせて戴いた日には、ミニミニログハウスという、誰でも利用できるログハウスの建設開始日とのことでした。他には、貸出し農園などの市民農園をすでに行っています。また、まだ企業数が集まってはいませんが、20社と提携して、それぞれの企業が別々のものを作る畑や、福利厚生施設などを企画中です。「最終的には、千葉県と言ったらデコポン村と言われるようにしたい」と、井尻さんは仰っていました。

デコポンで育てているもの

デコポンでは、イチジクを育てています。イチジクは、井尻さん曰く、「神の木」、「世界最古の木」と呼ばれ、体に良く(特にお通じなど)、無農薬で作る中でも比較的作り易く、加工品(ワイン、ベビーフードなど)に向いているそうです。また、千葉県であまり育てられていないので、このイチジクの生産量を千葉県が日本1位になるようにしたいと考えているそうです。1つ戴いて食べたのですが、予想以上に甘く、瑞々しく、無農薬なので、栄養価の高い皮付近も丸ごと食べる事ができ、とても美味しかったです。

他に、プチトマトも育てています。ビニールハウスの中で育てているのですが、入るまでに虫をハウス内に入れないための防虫ネットのファスナーを2つ潜らなければなりませんでした。内部は夏のビニールハウスと言う割には、空調設備がしっかりしているおかげから、意外と快適でした。ハウス内で、社員の方が寝泊まりする事もあります。中では、4種類のプチトマトが育てられていました。こちらも食べさせて頂いたのですが、採りたてなので新鮮で、市販のプチトマトよりもとても甘く、美味しかったです。

最後に…

生き生きと、目を輝かせて農業について語る井尻さんからは、本当に農業を楽しんでいる様子、楽しくしようとする力強い意志が伝わってきました。井尻さんのように、農業を楽しむことできるのならば、一般の方もやってみたいと考えると思います。この先、デコポン村プロジェクトに参加する一般の人や企業が増えていけば、農業が楽しい、おもしろいと感じる人が増えていくのではないでしょうか。

インフォメーション
株式会社 生産者連合デコポン
〒287-0222 千葉県成田市前林976-7
電話番号 0475-49-0181  FAX番号 0476-49-0183
メールアドレス info@decopon.co.jp
ホームページ  http://www.decopon.co.jp/
お野菜箱のご注文方法などは、ホームページをご覧ください。

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