スタッフコラム

『食べるとみんな笑顔になる幸せのトマト』ファッショントマトハウス 深野(柏市)

生産者紹介

柏市逆井の住宅地の中に一際大きなビニールハウスが現れます。そこで深野俊郎さんはトマト栽培をされており、そのトマトは千葉県農業賞を受賞し、ウェブで全国に紹介されています。ビニールハウスから近くの通りへ出ると直売所「生命(いのち)の応援団」があります。そこには深野さんをはじめ、周辺の農家の方の自慢の野菜、果物、花卉が売られています。

幸せのトマトとは?

近年、フルーツトマトと呼ばれる甘いトマトが高い値で市場にでていますが、甘味と酸味のバランスがとれているものこそがトマトらしいトマトであると、深野さんは話してくれました。 深野さんのトマト栽培にかかせない要素は2つあります。

第一に「生きた土」です。 目に見えない微生物が共存し、バランスをとっていれば土に障害がでないそうです。トマトの味の素は土にある!と教えてもらいました。
第二に「気温」です。 昼の間は気温が高くて、夜になると低くなるような温度差が必要です。 そのため3月~5月に温度差があるとおいしいトマトが出来上がるそうです。

この2点にこだわった栽培方法で出来上がった深野さんのトマトはバランスがとれており、後味はさわやかな余韻を楽しめる味です。これがまさに、食べた後に笑顔になる幸せのトマトなのです。
遠方のお客さんから宅配便でトマトを送ってほしいと連絡があったのが始まりで、その人からまわりの人に評判が広まり、段々と枝分かれしていきました。このような人伝えが一番堅い広がり方であると深野さんは話してくれました。今ではネット販売で品切れになるほどのトマトも、小さなコミュニティからスタートしたのがわかります。

無農薬農法へのいきさつ

農薬散布をしていた時期に、散布する度に涙が出て、せきがでていました。一緒に作業をしていた妊娠中の奥さんを気遣い、健康が第一と考えて無農薬に切り替えたそうです。 安心安全に提供するために化学合成農薬、化学肥料を使わないことにこだわっています。害虫被害への対応として、ツヤコバチをビニールハウスで飼うことで、害虫の卵にツヤコバチの卵を産みつけて繁殖を抑制しています。 ニーム(インドメンダン)と呼ばれる薬木の種子から抽出した液を、虫がつく前から土壌やトマトに散布することで、害虫を予防しています。

おすすめの食べ方

丸かじりが最もおすすめな食べ方だそうです。その他におすすめを尋ねると、トマトジュースを紹介してくれました。ただジューサーにかけるのではなく、鍋で煮込み、濾してから冷やすとおいしくできるそうです。同じ作り方でトマトピューレもでき、カレーに入れると絶品!と教えてもらいました。

ビニールハウス内の土です

大切に育てられたトマトです

人々とのふれあい

深野さんはトマトにまつわるエピソードを2つ話してくれました。
宅配便をしていない時期に、1本の電話が入りました。 「亡くなる直前まで深野さんのトマトを食べていました。そのトマトのおかげで生き長らえたので、ぜひ棺に1箱入れたいです。」と連絡があり、1箱分選りすぐって送ったそうです。 また、「母がガンで流動食しか食べれないので、深野さんのトマトをしぼって食べさせてあげたい。」という近所の人がいて、トマトを渡したそうです。寝ているお母さんの口元にトマトをしぼって飲ませたら、すーっと涙が出てきた、という話がありました。 深野さんは驚きとともに、ありがたいと心から思ったそうです。
他にも人とのふれあいとして、毎年地域の中学校5、6校が職業体験の一環で深野さんのビニールハウスへ農業体験をしに、10~15人の生徒がやってきます。生徒たちは日常で得られない体験を通じて、動物植物との触れ合いを持ち、協同作業の喜びや厳しさを実感するのが体験学習の目的と語ってくれました。思い思いの感想をもって、職業体験後にお礼の手紙がたくさんくるそうです。深野さんは「私の人生は毎年毎年人に世話になることを繰り返し、今につながっている。トマトは人と人とのつながりを作り、感動を作ってくれる。」と最後に話してくださいました。「幸せのトマト」が人間ネットワークの架け橋になっていることがわかりました。

インフォメーション
毎年、3月より全国宅配できるそうです。3月下旬~4月、5月が一番おいしい時期になります。
ファッショントマトハウス深野
〒277-0042 千葉県柏市逆井469
TEL 04-7172-4221 FAX 04-7172-0274
e-mail fth-fukano@kyf.biglobe.ne.jp
直売所 生命の応援団
TEL 04-7171-1040

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